赤い唇 *日本初公開
監督|ハリー・クーメル 音楽|フランソワ・ド・ルーベ
出演|デルフィーヌ・セイリグ、ダニエル・ウィメ、ジョン・カーレン、アンドレア・ラウ
1971|ベルギー=フランス=ドイツ合作|100分|カラー
舞台はベルギーの港町オステンドのホテル。宿泊した新婚夫婦が謎めいた優雅な伯爵夫人に出会ったことから引き込まれていく禁断の世界を、奇想と恐怖、独特のエロティシズムをふんだんに盛り込んで描き、“『血とバラ』以来のアーティスティックな吸血鬼映画”(ニューヨーク・タイムズ)と評価された。ヨーロッパでは怪奇幻想映画の巨匠として知られるハリー・クーメル監督の代表作で、ルイ・マルなどはその独自の耽美的映像力を高評価。主人公エリザベート伯爵夫人を演じるデルフィーヌ・セイリグの銀色に輝く美貌と、エレガントで霊感に満ちたミステリアスな妖しさに酔いしれる。
©Films Sans Frontieres
赤い影
監督|ニコラス・ローグ 撮影|アンソニー・リッチモンド
出演|ジュリー・クリスティ、ドナルド・サザーランド
1973|イギリス=イタリア合作|110分|カラー
愛娘クリスティンを水難事故で亡くしたバクスター夫妻は仕事で訪れたヴェネツィアで老姉妹と邂逅する。盲目の妹ヘザーには霊感があり、赤いレインコートを着たクリスティンが夫のジョンの身が危ない、と警告していると告げたことから事態は予期せぬ方向に進んでいく…。“家族の悲劇から恐怖の悪夢へ”と。映像の魔術師ニコラス・ローグのカルト・サイコスリラーでイギリス映画人150人が選ぶ 〈イギリス映画ベスト100〉(Time Out London)の第一位に選出されている。
©Tamasa Distribution
デッド・オブ・ナイト
監督|チャールズ・クライトン、ベイジル・ディアデン、アルベルト・カルバカンティ、ロバート・ハーメル
出演|マイケル・レッドグレーヴ、サリー・アン・ハウス、ベイジル・ラドフォー
1945|イギリス|103分|モノクロ
イギリスの代表的な監督4人が演出した5話から成るホラーアンソロジーの古典。互いに見知らぬ人たちのグループが理由もわからぬないまま田舎のコテージに集められる。幻想と悪夢が支配する中、一人ずつ自らの恐怖の体験を語り始める…。うち2つの物語“鏡の話”と“腹話術士”の物語が傑出している。未だ色褪せない影響力を持つこのホラー古典はスコセッシが選ぶ“映画史上最も怖い11作品”の5位に選出されている。
©Ealing Studio