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2022年8月30日

宗教二世の苦悩と葛藤を描く問題作『息衝く』緊急上映決定!

政権与党でもある大宗教団体の信者を親にもつ2世信者たち
自身の信仰と政治活動の狭間で、葛藤し苦悩する人々の群像を描く

ある政権与党の政治団体でもあり、大新興宗教団体でもある「種子の会」。本作は、その信者を親にもつ、二人の男と一人の女を巡る物語である。宗教の掲げる理想、原発の再稼働に目を瞑る政党。理想と現実の間に揺れ、自らの信念を問い続けながらも団体の中で生きる二人の男、則夫と大和。一方、「種子の会」を離れ、母親となり、独りで子を育てる一人の女、慈。彼らには絶対的に信頼を寄せる父親的存在がいた。幼少期からの師でもあり、精神的支柱でもあるカリスマ、森山周。「ひとは独りで生きていける程は強くない。世界ぜんたいの幸福を願うときこそ、個であれ―」そう言ったかつてのカリスマは、日本という国を捨てて失踪した。彼が思い描いた未来は果たしてどこにあったのか―この物語は、三人の2世信者たちが、自身の信仰する宗教の始祖のもとに再び会いにゆくことで、自身の背けていた何かを取り戻そうとする。

本作の監督は、核燃料再処理工場がある青森県六ヶ所村を舞台に、そこに生きる家族の決断を描いた『へばの』(’08)。「地下鉄サリン事件」オウム真理教の幹部・平田信と、逃亡を助ける女性の、実在の話をベースに、そのありえたかもしれない束の間の愛のすがたを描いた『愛のゆくえ(仮)』(’12)など常に社会と個のあり方と関わりに、鋭く問題を投げかけてきた木村文洋監督による長編第3作である。2018年に公開され、話題を投げかけた本作が、2022年9月、宗教団体の反社会活動、政治と宗教の関わりが取り沙汰される昨今、緊急上映される。上映後には<「宗教・政治・家族」を巡って>と題して、各界の識者を呼んでのトークイベントも開催。信仰とは?政治とは?家族とは?と言う困難な問いについてゲストと木村監督と共に考える。

<トークイベント:「宗教・政治・家族」を巡って>
日程:9/3(土)~9(金) 連日17:30『息衝く』上映後トークイベント開始
場所:ポレポレ東中野 中野区東中野4丁目4−1 坐ビル地下
9/3(土)登壇:木村文洋監督
9/4(日)登壇:藤田直哉(SF・文芸評論家)、木村文洋監督
9/5(月)登壇:宮台真司(社会学者)、木村文洋監督
9/6(火)登壇:島田裕巳(宗教学者)、木村文洋監督
9/7(水)登壇:寺尾紗穂(シンガーソングライター、エッセイスト)、木村文洋監督
9/8(木)登壇:木村文洋監督
9/9(金)登壇:木村文洋監督
※登壇は予告なく変更となる可能性があります