2017年8月10日公開
枝葉のこと
配給・宣伝
公式HP2017年/日本/DCP/カラー/114分 ©Kurinke
監督・脚本・編集:二ノ宮隆太郎/プロデューサー:鈴木徳至
撮影・照明:四宮秀俊/録音・整音:根本飛鳥/助監督:平波 亘/制作:香月綾
出演:出演:二ノ宮隆太郎、矢島康美、松本大樹、木村知貴、廣瀬祐樹、三好悠生、新井郁、堀内暁子、辻野正樹、田井竜也、藤田遼平、國武綾、永井ちひろ、岡部成司、嶺豪一、亀井史興、池田薫、いまおかしんじ、二ノ宮哲夫
世界から絶賛された新しき鬼才、二ノ宮隆太郎が
監督・主演で描く、現代の家族像と郊外に生きる若者の日常。
前作『魅力の人間』が第34回ぴあフィルムフェスティバルで準グランプリを受賞し、海外映画祭でも注目を集めた新鋭・二ノ宮隆太郎の劇場公開デビュー作となる本作は、監督自身の実体験を基に作り上げた独創的な「私小説的」映画作品である。
周囲の人間を寄せ付けず、常に何かに苛立ち、鬱屈とした日々を過ごす主人公・隆太郎は、監督自身が演じている。物語の舞台となっている横浜市二俣川も、監督が幼少期から過ごしてきた町であり、劇中に登場する実家や友人宅も実際の場所を使って撮影している。事実とフィクションを巧みに織り交ぜ、監督自らが身も心も全て曝け出して創り出された本作は、郊外に生きる若者の行き場の無い暴力衝動、そして現代の家族像を鮮明に切り取り、力強い普遍性を獲得している。
隆太郎の抱える強い焦燥感はやがて、幼少期に母親代わりだった友人の“おばちゃん”、そして実の父親への深い愛憎に繋がっていく。世間からすれば「枝葉のこと」に過ぎない、ささいな気持ちの揺れが、彼にとってはどうしても譲れない大事なことだった。これは一人の若者の、人生を変えなくてはいけないと感じるその瞬間を切り取った、今までに無い、全く独創的な青春映画である。
【STORY】
横浜の自動車整備工場で働く隆太郎は、関わること全てに諦念を抱く無気力な男。
無駄話に興じる職場の先輩や後輩。ガールズバーで出会った女の子。誰にも心の内を語らない隆太郎は、周囲からも変わり者扱いされている。そんな折、幼馴染の裕佑から1本の電話が入る。「うちの母ちゃんが会いたがっている」裕佑の母・龍子はC型肝炎から発症した肝臓がんで余命数日に迫っていた。6歳で母親を亡くし、幼少期に龍子に世話になっていた隆太郎は、7年前から彼女の病気を知っていたにも関わらず、一度も会いに行っていなかった。
これは、龍子に会いに行くことを決めた隆太郎の人生の数日間の物語。